エアコンの脱着と接続Attaching, detaching and connecting the air conditioner

エアコン脱着にかかわる事前確認

エアコンの脱着にかかわる確認すべきポイントをまとめました。エアコンの移設も含め、以下の内容に注意してください。

エアコン取り外しにはリモコンが必要

エアコンは取り外しには、ガスの回収を行います。エアコンの冷房運転をする際にはエアコンのリモコンが必要となります。

リモコンを荷物と一緒に梱包しないよう注意して下さい。

エアコンの取り外しには電気が必要

エアコンは取り外しには、電気が必要となります。エアコンガス回収の際に冷房運転をするため必要となります。

エアコンの取り外しは引越し前に行いましょう

取り外し間際までエアコンを使用していると、内部に水分が残り運搬中にエアコンの基盤などが濡れ、故障の原因につながります。
引越し前日までの取り外しをお勧めします。

基本工事と追加工事について

エアコン脱着の際、基本工事と追加工事に分類されます。取り付ける環境によって追加工事が異なるため、以下の内容を確認しましょう。

  1. ①基本工事取り外し工事にかかわる基本工事 「室内機・配管・室外機・ガス回収・パテ埋め」
  2. 取り付け工事にかかわる基本工事 「入居者様がお持ちの部材を使用し、室外機は床置き」
  3. ②追加工事①基本工事以外の工事      「電気工事・冷媒ガス・配管工事・室外機設置工事・その他付帯工事」などがあります。

エアコンの基本工事

室内機の設置 室外機の設置
配管テープ巻仕上げ

エアコンの配管は室内機と室外機を繋ぐ役割を担っています。通常のエアコン取り付け工事に含まれている配管仕上げはテープ巻きです。
壁から出た配管やドレンホース、配線などをビニールテープで固定し、その上からテープで壁から室外機の接続部分までを巻いていきます。
配管の穴はパテで埋め雨や虫が室内に入らないようにします。

基本工事以外の電気工事

エアコンコンセントの交換 エアコンプラグの配線延長

エアコンのプラグ形状と、エアコン専用コンセント形状が異なる
場合もご注意ください。

コンセントはあっても、プラグの配線長さが足りず届かない場合があります。

電圧切替・ブレーカーの交換 専用電気配線

メーカーや機種によって使用電流(ボルト)や電圧(アンペア)が
違います。機種に合った電圧切替工事やブレーカーの交換が必要
な場合が生じますので、エアコン取付業者にご確認ください。
※ 上記の場合、建物管理会社に原状回復についてご確認ください。

<アンペア・ボルトの変更>

引越し先にエアコン専用のコンセントがない場合、電気配線を新設しなければなりません。エアコン取付業者にご確認ください。
※ 上記の場合、建物管理会社に原状回復についてご確認ください。

<コンセントの種類>

基本工事以外の冷媒ガス・配管工事

ガス補充・ガスチャージ エアコン配管の交換

エアコンの移設を繰り返すと取り外しの際に多少ガスが漏れるため
ガスが不足します。ガス不足になるとエアコン効率が低下するため
ガス補充・ガスチャージが必要です。

エアコンの年数が経過すると配管は硬化し折れることがあり、
古い配管を使用しているとガス漏れの原因に繋がります。

また2階から1階への配管、その他配置環境が変わることで配管
長さが不足する場合、配管延長や交換が必要となります。

室外の配管化粧カバー仕上げ

テープ巻き仕上げの場合、紫外線や風雨の影響でテープの経年劣化が進みます。保守的な観点も
踏まえて、化粧カバーの取り付けをお勧めします。また配管をカバーで覆うことにより、外観が
綺麗に仕上がり建物の美観が保てます。
※ 上記の場合、建物管理会社に原状回復についてご確認ください。

室内の配管化粧カバー仕上げ

室内に化粧カバーを取り付ける際、梁や柱などの凹凸があり室外よりも取り付けが複雑になる場合があります。部材の量も設置環境によって異なるため、現場での確認と見積りが必要になります。

化粧カバーの色見本

エアコンの配管に化粧カバーをすることで美しく仕上げることができます。賃貸建物の
色調などにも配慮し美観を考え検討しましょう。

基本工事以外の室外機設置工事

室外機の設置工事が基本工事(床置き方法 地面置き・ベランダ置き)以外の下記場合は、別途費用が必要となります。

壁面付け方法 屋根置き方法
設計上、室外機を壁面に取り付けが指定されている賃貸建物は、
室外機の壁面付けが必要となります。壁面付けは専用金具を使って室外機を取り付けます。
屋根置きは、専用金具を使って室外機を取り付けます。屋根の状態から積載荷重の検討により、1階に直置きで配管を伸ばす方法も検討してください。
天吊り方法 二段置き方法
賃貸建物は室外機をべランダに置くケースが殆どですが、スペースが限られている場合など、指定された専用金具が備わってない場合新たに専用金具を施して、室外機を吊るす方法があります。
こちらの工事を行う場合は、まずは管理会社に連絡をしオーナー様の承諾を得る必要がございます。
室外機を置くスペースが限られている場合は、室外機を2段に置く
ことができます。ベランダや地面置きに限り専用の金具を使って
二段置きが可能となります。

基本工事以外のその他付帯工事

エアコン室内機吊金具 窓パネル工事

エアコン室内機を和室の鴨居などに取り付ける場合、室内機の裏側に補強の吊金具が必要です。

壁にエアコンの配管を通す穴がない場合、窓を利用しスライド式の穴の空いたアルミパネルを設置します。

アンカーボルト埋込工事 クーラースリーブ工事

エアコン室内機や室外機を、固定するためにアンカーボルトが必要となる場合の工事です。この工事は建物の構造と下地の確認が必要となります。建物に下地があればアンカーボルトは必要無く、下地が無い場合にアンカーボルトが必要となります。その場合、構造に適したアンカーボルトを検討ください。

賃貸建物は古い物件ほど、クーラースリーブが備え付けられてないケースが増えたりします。その場合、仲介店や管理会社にクーラースリーブ設置が必要となる旨を伝え、その際費用負担は誰がする
のかを確認し、オーナー様承諾を得ましょう。また構造に適した
コア抜き方法をご検討ください。

高所の作業が必要な場合 隠蔽配管工事

危険な高所作業が必要な場合は、安全確保の観点から別途で
高所作業の費用が必要となります。

エアコンの配管が壁の中に埋め込まれている場合、脱着時に別途
費用が必要となります。

エアコン選びのポイント

エアコン選びで重要なのは、部屋の広さに見合ったエアコンを選択するところにありますが、機種それぞれの冷暖房能力を確認した上で、
エアコンを選びましょう。一般的に2.2kwのエアコンは6畳用で、容量の数値が大きくなるほど適用する部屋の広さが大きくなります。

<エアコンの購入目安>

容量 2.2kw 2.8kw 4.0kw 6.3kw
部屋の広さ 6畳用 10畳用 14畳用 20畳用

建物構造によって気密性と断熱性の違いで冷暖房効率が変わります。例えば右の表示のように店頭
でされていらたら、木造では暖房6畳・冷房7畳となり、鉄筋コンクリート造では暖房8畳・冷房10畳となります。

同等容量のエアコン買い換えの場合

既存エアコンと同等容量のエアコンを購入する場合、エアコン室内機の側面や底面にメーカー型式が記載されています。同じ容量のエアコンを買い換えたい場合は事前チェックしてみましょう。

室外機設置場所の注意点

室外機に直射日光が当たると熱交換器に負荷がかかるため、夏場は日よけ専用カバーを取り付けたり、よしずで日陰を作る工夫をしましょう。冬場は室外機の熱交換器が外気熱エネルギーを吸熱しているため、外気温度が低くなると暖房能力の低下が生じますが故障ではございません。また、風や騒音などで近隣に対して悪影響を及ぼす場所や、消防など避難経路の妨げになる場所にも設置しないよう注意をしましょう。

エアコン専用の電気配線役割

エアコン専用の電気配線が必要な理由

エアコンは他の家電に比べ使用電力が大きく、家電などで使用する通常電気配線を使用すると電力不足が生じます。エアコン専用の電気配線はブレーカーから単独配線されており、エアコンの使用電力に見合った電力に対応できるため、安心して使用することができます。

専用電気配線がない場合

エアコン取り付けを行う部屋に専用電気配線がない場合は、新たに専用電気配線の増設が必要です。増設を行う場合は電気工事士の資格が必要のため専門業者へ依頼をするようにしてください。また、賃貸物件の場合は仲介会社や管理会社へ連絡をし、承認を得てから進めましょう。
さらに、家庭用エアコンには100V用と200V用があります。200V用のエアコン設置する場合は、上記同様の電気工事が必要となります。

エアコンのスリーブキャップ注意点

入居者様が引越し後取り付けたエアコンの場合、エアコン取り付け時に外したスリーブキャップを大切に保管してください。お部屋の明渡し時に原状回復の義務が生じます。また、退去時は保管していたスリーブキャップを、エアコン取り外し時に業者へ渡していただき、室内・室外の両面に
スリーブキャップを原状回復してください。万が一スリーブキャップを紛失した場合、パテなど
で修繕をせず、退去立会時に管理会社スタッフへ紛失した旨を申し出てください。また、エアコン取り付け時に配管の隙間などがあると、鳥が侵入する可能性が生じますので、完了確認をしっかり行いましょう。

自分でもできる不具合チェック-エアコンが動かない

エアコンが動かない ① リモコンの電池切れを確認してください

エアコンが稼働しない原因に、意外に多いのがリモコンの電池切れとなります。リモコンの液晶に何も表示されない時は、電池切れの可能性
が高い場合が多いので、電池交換を行い再度確認してみましょう。

エアコンが動かない ② コンセントの抜けを確認してください 

しばらく使わない時など、エアコンのコンセントを抜いたのを忘れていませんか。天井にコンセントがある場合など、コンセントが抜けていることが見えない場合もあります。まずはコンセントが差し込まれているか確認してください。

エアコンが動かない ③ ブレーカースイッチを確認してください

長期で家を空ける場合など、エアコンのブレーカーを落として出かけるケースがあります。エアコン用のブレーカーが落ちたままになって
いないか確認してください。

自分でもできる不具合チェック-エアコンからの水漏れ

ドレンホースから出る水は圧力が無いため、水を排水する一定の勾配が必要となります。そこで下記に当てはまる場合は、水を排水することができないことで、室内機の水漏れが発生したと考えられます。またホコリなどが溜まりドレンホース内が詰まってしまったことが原因で室内機の水漏れを起こしてしまう場合など様々な原因が考えられますので丁寧に確認してみましょう。

エアコンからの水漏れ ① ドレンホースの先が上を向いていませんか 
エアコンからの水漏れ ② ドレンホースの先が水に浸かっていませんか
エアコンからの水漏れ ③ ドレンホースが丸められていませんか   
エアコンからの水漏れ ④ ドレンホースが踏み潰されていませんか  

自分でもできる不具合チェック-エアコンから異音がする

エアコンを設置した後に、ボコボコと異音が発生することがあります。この異音は換気扇を回した時などに起きる事象と同じです。
近年は気密性の高い住宅が増え、換気扇を回すことで室内の気圧変化が起こり、外気と繋がっているエアコンのドレンホースから空気が入る
ことが原因です。そのような時は窓を少し開けるなど、室内に外気を取り込むことで気圧変化が解消され、異音を止めることができます。
またドレンホースの筒先の向きを変え、ホースから外気の侵入を防ぐことでも異音を解消できたりもします。

自分でもできる不具合チェック-問題が解消されない場合

自分でもできるエアコンチェックの内容を紹介しましたが、それでも問題が解消されない場合は、故障している可能性が高くなります。販売店やメーカーに問い合わせをお勧めします。