洗濯機の設置と接続Installing and connecting the washing machine
設置前のチェックポイント
洗濯機の設置をおこなう前に、洗濯機本体を置くのに十分なスペースがあるか・設置場所の広さと状態・搬入経路・蛇口の形状をしっかりと
チェックしましょう。
① 洗濯機の設置スペース

まずは「洗濯機の設置場所が十分にあるか」を確認してください。
ギリギリのスペースしかない場合、洗濯機のホースなどが飛び出してしまったり、壁を傷つけたりするリスクがあるため、必ず十分な間隔がある場所に洗濯機を設置するようにしましょう。
次に壁に洗濯機を寄せた状態で洗濯機が開けられるかを確認します。
ドラム式の場合ドアのように手前に開くものもあるため、ドアの開く向きをチェックし、ドアを開けたときに何かにぶつからないかも確認してください。
② 洗濯機を設置する場所

洗濯機の設置場所は通常であれば脱衣所や洗面所の付近になります。
設置場所の温度にも注意が必要です。屋外は冬季間に低温になりやすく、凍結によって正常に作動しない可能性があるため、できるかぎり屋内へ設置してください。
また、屋内でも気温が極端に下がって凍結が起きそうな場所は温度
調節に注意が必要です。
③ 洗濯機の搬入経路

洗濯機を設置するスペース以外では、搬入経路の確認が重要です。
本体と搬入者を含めた幅が通れるかを確認します。
ドラム式のように厚みのあるサイズ感の洗濯機は、ゆとりのある
搬入経路が理想的です。
チェックポイントとしては、建物入口・通路(廊下)・エレベーターまたは階段・玄関の入口・部屋の通路(廊下)・設置場所の入口の
6ヶ所です。
④ 蛇口の形状

洗濯機に給水するためには、蛇口と洗濯機を繋ぐ必要があります。
蛇口の形状が洗濯機の給水ホースと合わず、使用できない場合が
あります。給水ホース以外では、外部排水ホース・防水フロアも
チェックしましょう。
⑤ 排水エルボの有無

設置の際に必要なものとして「排水エルボ」があります。排水エルボは、洗濯機を置く防水パン(洗濯機パン)から上に出ている排水管の口と排水ホースの間に取り付けられます。
接続口が2つあるため、防水パンと排水ホースの形が一致するものを選びます。賃貸物件では防水パンに排水エルボが付いています。万が一部品が付いていなければ、設置前に型番を調べて、部品を購入する必要があります。
⑥ 防水パンの有無

洗濯機からの水漏れを防ぐ受け皿が防水パンです。賃貸建物は水漏れなどもしもの事が起きることを想定すると、防水パンは重要です。
直置きをすると床が凹んだり、振動や騒音が直接床を伝わったりする恐れがあり、振動を受け止めるためにも防水パンが役立ちます。
サイズは640㎜×640㎜・740㎜×640㎜・800㎜×640㎜などが販売されています。防水パン外寸と洗濯機が合うかどうかをしっかり確認してから洗濯機を選びましょう。
洗濯機の設置方法と手順
洗濯機の設置は引越し業者に依頼するのが一番効率的な方法です。しかし自分で設置すれば更に費用は抑えられます。
洗濯機の設置方法として、次の3つのポイントを心得ておけば、簡単に洗濯機を設置することができます。
① 排水ホースを取付ける

洗濯機設置で最も重要なのが「排水ホース」の取り付けです。
手順通りに設置できていれば問題ありませんが、取り付けがしっかりできていないと、水漏れトラブルに発展することもあります。
<排水ホースの取り付け手順>
- 1.ダンボールから洗濯機を取り出す
- 2.ホースを通すキャップを取り外す
- 3.洗濯機と排水ホースを繋いで設置する
- 4.排水ホースを排水エルボと接続してから排水口に取り付ける
② アース線を取付ける

洗濯機には緑色と黄色が混ざった線、もしくは緑色だけの線が付いていますがこれがアース線です。
<アース線取り付け手順>
- 1.アース線のカバーを開ける
- 2.取り付けネジを緩める
- 3.アース線をネジに絡ませる
③ 蛇口に給水ホースを取付ける

排水ホースを取付けた後、次は洗濯機と水栓を繋ぐために給水ホースを取付けます。
<給水ホースの取り付け手順>
- 1.給水ホースと水栓(蛇口)を繋ぐ
- 2.給水ホースと洗濯機を繋ぐ
洗濯機を設置する際のトラブル
洗濯機を設置する際のトラブルを6つに分けて紹介します。洗濯機からの水漏れやアース線の取り付けなど、万が一に備えることが大切です。
① 搬出時の洗濯機からの水漏れ

搬出する際に、洗濯機本体に水が残っており水漏れを起こす場合が
あります。洗濯機の底面部分から水が漏れ出すケースなどがありま
すが、この場合排水系統の不具合が考えられます。
洗濯機を搬出する際は、中身を空にして脱水運転をおこない、電源を消してタオルで内部を拭き、水抜きをおこなってください。
漏れ出している箇所が特定できないごく少量の水漏れもありますが、破損の可能性がありますので、部品の交換が必要となります。
② 洗濯機が設置できない

洗濯機が設置スペースに収まらなければ設置することができません。引越し先の洗濯機置き場に手持ちの洗濯機が収まるかどうかを事前に確認する必要があります。スペースにゆとりが出るように洗濯機を
選びましょう。
③ 防水パンと洗濯機が合わない

防水パンと洗濯機のサイズ感が合わない場合、洗濯機を買い替えなくてはなりません。
防水パンは640㎜×640㎜・740㎜×640㎜・800㎜×640㎜の3種類の規格サイズが販売されているほか、ドラム式に向いている600㎜×600㎜タイプもあります。必ず洗濯機は防水パンサイズに合うものを購入しましょう。
④ アース線が取り付けられない

アース線は、洗濯機からの漏電を防ぐために電気を流すものです。
電源コンセントを差し込む場所の下に、アース線用の差し込み穴が
空いています。ここに線を差し入れて、電流が流れるようにする方法がアース線の取り付けです。
アース線は差し込み口がネジ式のものと直接差し込むワンタッチ式のものなどがあり、洗濯機の設置を業者依頼しない場合、自分でアース線を接続する必要があります。
⑤ 上手く排水が出来ない

正しい手順で設置をおこなったにも関わらず、上手く排水できない
トラブルもあります。この場合排水口の詰まりや排水ホースの詰まりをまずチェックしましょう。
洗濯機の電源を切ってコンセントを抜き、排水ホースを取り外して
洗濯機との継ぎ目部分に物が詰まっていないかを確認します。
ドラム式洗濯機の場合は、糸くずフィルターにゴミが絡まって排水が妨げられている可能性もあります。
排水ホースの折れや破損、排水弁が開かない故障なども起こる可能性があります。
⑥ 設置後の水漏れ

設置をおこなった後に水漏れを起こすトラブルもあります。
まずは給水などをおこなわず蛇口を閉めます。蛇口を閉めても水漏れが起きる場合、水道の元栓も閉めます。それでも水漏れを起きている場合、ネジやナットの緩みなど、給水設備の不具合ではないこと
が分かります。
次に元栓も閉めた状態で水漏れを起きている箇所をチェックします。洗濯機本体、ホースなど水が漏れ出している箇所を目視し、洗濯機の運転はOFFにしたまま水漏れの量や程度を確認してください。
ゴムパッキンの劣化による水漏れのケースも多くみられますが、交換が難しい場合は専門の業者に連絡し、修理をおこなってください。